土地探しコラム

不動産投資市場の成長に向け、アクションプラン策定

 国土交通省は21日、不動産投資市場の成長に向けたアクションプランのとりまとめを策定、公表した。

 不動産投資市場の成長により、不動産ストックのフロー化による投資を促進。民間の資金である「カネ」や「人」のノウハウを活用し、不動産ストックをより良いものするための土地・不動産分野の改革をより一層進めていくという観点から、官民が協働してリート等の資産総額約30兆円の実現に寄与すべく具体的施策について、「不動産投資市場政策懇談会」(座長:牛島総合法律事務所弁護士・田村 幸太郎氏)にて議論を進めてきた。

 アクションプランでは、「CRE等の改革(企業等不動産の活性化)」「リート市場等の改革」「不動産投資家の投資環境の改革」「人材育成の改革」の4つの取り組みを示した。「CRE等の改革(企業等不動産の活性化」では、企業等が保有する不動産ストックの成長性の高い資産等への転換を進めるため、ガイドラインの改定やフォーラムの開催等を通じ、これまでCREの有効活用に積極的ではなかった業界・団体におけるCRE戦略の導入・実施を促す。「リート市場等の改革」では、成長分野で拡大する不動産需要に対し、不動産ストックの価値向上を支えるために必要な資金を調達する不動産投資市場の機能向上を図る。「不動産投資家の投資環境の改革」では、多様な投資家からの投資を呼び込むため、不動産情報基盤の充実等、不動産投資環境の整備を進める。「人材育成の改革」では3つの改革に必要な人材を確保するため、産官学金が連家指定人材育成の機会の提供等を促進する。

 同日開催した9回目となる懇談会で委員からは、事務局から提示されたアクションプラン案について、おおむね問題ないとの見解が示されたが、「今後このアクションプランの実現に向けて何をやっていくかが課題。フォーラム開催や海外編の発信など伝え方が重要」といった今後の課題や、不動産投資のグローバル化に向けた取り組みについて「グローバルスタンダードとあるが、日本には借家法といったローカルルールのようなものがある。それらをそれらを踏まえた上で運用していくことが望ましい」といったアクションプランを進めていく上での留意点などについての意見も挙がった。

 また、閉会に当たり挨拶した同省土地・建設産業局長の谷脇 暁氏は「4月から3回という大変短い期間で活発な議論を行なっていただき、充実したアクションプラン案をまとめることがきた。今後はアクションプランに記載してある政策について、フォローアップをしながらしっかりと実行していきたい」と述べた。

2017年6月21日6:35 PM